でも、図書館本来の用途、読書には最適の空間かもしれないけど、これでは勉強会は出来ない。
静かすぎるのも難点だけど、机が1人用、というのが致命的だ。


「なあ、大きいテーブルがないと――……」

言いかけたボクを遮って、2階へと続く階段を美紗が先導した。

「多分、上よ」


どうやら談話室なるものは、そこにあるようだ。
1階は静かすぎて小声での会話もはばかれるので、黙って着いていく。
目的の部屋は、確かに2階にあった。


【談話室】【自習室】

2つの部屋の入口にそれぞれプレートが掲げてある。

美紗は最初、談話室と言っていた。
昔よくここへ来ていた頃には自習室の方はなかったのか、2つのプレートを見比べて首を傾げている。


「……どっちかな?」