古めいた建物の内部は改装を施されているようで、外観に反して近代的で明るいものだった。


「あら、前よりずいぶん綺麗で明るくなってるわ」

という美紗の呟きから察するに、内装に手を入れられたのは比較的最近のことなのかもしれない。


本棚が林立する大きな部屋の一角には、読書用のテーブルが壁沿いに並べられている。
ゆったりと1人ずつ座れる幅で、隣の席を気にせずに読書に勤しめるよう1席ずつ仕切ってあった。

改装時に新しくしたのだろう、並んでいるテーブルも椅子も、明るい色の綺麗な木目に汚れひとつなく、清潔感と落ち着いた感じが漂っている。


外装とのギャップには少々驚かされたけど、ボクにとってはこの内装の雰囲気の方がよほど安心感があった。