「図書館って、勉強会出来るの?」

静かに本を読む場所ってイメージだった。
学校の図書室は本当に静かだし(ボクは本を読むのではなくうたた寝するのが常だけど)。


ボクたちの勉強会は、『分からない』を連発するボクと純平、そのたびに説明をする美紗のやり取りが相当うるさいと思う。
静かすぎる環境も、あんまり良くないような……。


「最近行ってないから、自信ないけど……」

と前置きした美紗が説明を続けようとするけど、ボクはそれを待つ以前に、彼女が市立図書館なるところに昔は足しげく通っていた様子を連想して驚いた。

つくづく、頭の良い人間の行動は理解できない。


「確か、自習ブースだか談話室みたいなところがあったと思うの」

「談話室なら、ちょっと騒いでも大丈夫そうだな」


未知の場所に単純に興味があるのか、純平は早速乗り気になったようだ。
まあ、ボクらの自宅という選択肢が消去法で無くなった今、その提案に反対する理由はない。