「誰かん家がいいけど……」


とは言っても、ウチは無理だ。
絶対漫画読んじゃうし、何より狭い。

ダイニングテーブルで、という手がなくもないが、美紗と純平が家に来ると母さんがはしゃいでちょっかいを出してくるのは目に見えている。

……娘のテスト勉強を邪魔する親って。


純平の家も、部屋は弟と兼用で狭いし、居間では常に弟やその友達が集まってゲームをしていたりと騒がしいから、勉強会に適しているとは思えなかった。


「美紗ん家、イケる?」

期待を込めて美紗へ視線を送る。
だけど彼女は申し訳なさそうに肩を竦めて、

「今日は無理なの。母がお友達を呼ぶって言ってたから」

と謝った。