ボクがボク自身や、ボクを取り囲むほんの2、3人の狭い世界の中で、たった今この時についてうじうじ悩んでいる時に。
この人は、自分の将来どころか日本の未来を真剣に考えるんだ。
尊敬は、する。
だけど、抱きはじめていた親近感は、なくなった。
「質問しても?」と断ってから、美紗が謎かけのようなことを言った。
「もし順番が違っても、会長はその大学へ?」
ボクにはさっぱり意味の分からないその質問に、響先輩は悲しげに笑って首を傾げるだけだった。
質問の意味を、ちゃんと理解はしている。
けれど、答えるつもりはない――そんな感じ、だろうか。
美紗はその反応を見ただけで、彼の答えを正しく理解したようだった。
この2人は、こんな片言の会話で理解しあえるのだな。
5個目の菓子に手を伸ばし、1つを純平に放り投げて2人一緒にそれを食べることで、ボクはうっすらとした喪失感を塗りつぶした。
この人は、自分の将来どころか日本の未来を真剣に考えるんだ。
尊敬は、する。
だけど、抱きはじめていた親近感は、なくなった。
「質問しても?」と断ってから、美紗が謎かけのようなことを言った。
「もし順番が違っても、会長はその大学へ?」
ボクにはさっぱり意味の分からないその質問に、響先輩は悲しげに笑って首を傾げるだけだった。
質問の意味を、ちゃんと理解はしている。
けれど、答えるつもりはない――そんな感じ、だろうか。
美紗はその反応を見ただけで、彼の答えを正しく理解したようだった。
この2人は、こんな片言の会話で理解しあえるのだな。
5個目の菓子に手を伸ばし、1つを純平に放り投げて2人一緒にそれを食べることで、ボクはうっすらとした喪失感を塗りつぶした。