あれ、なんか会話がかみ合わない?

後ろで美紗が慌てたように立ち上がってボクの話を遮ろうとしたみたいだけど。
ボクは聞き取れなかった彼女の話を改めて聞きなおそうと思ったのだけど。

その時にはもう、彼女は目を大きく開いてボクを見上げて固まっていた。


「ごめ」

ん、なんか勘違いしてた、もう1回言って。
――と言うつもりだったのに、最初の2文字を発した時にはすでに彼女は走り出していた。


ワケが分からず、ベンチの美紗と、立ちっぱなしの純平を振り返る。

「……」

「……?」

美紗は頭を抱え、純平は首を捻っていた。


「生徒会が何とかって言ってた」

「今の、生徒会の書記で、会長の元彼女よ」


……うん、なんか、大分誤解してしまったようだ。
悪いことをした。