それって。

「純平にとってはボクは女じゃないってこと」


言ってしまってから、ああ、何を今更と後悔が襲ってきた。
さっき理解したばかりなのに。


途端、純平は慌てたように体を起こし、

「そういうこと言ってんじゃ――……」

何か言いかけて、途中で飲み込んだ。


――『女の子だよ、ボクは』――
その言葉を、ボクがさっき冗談で塗り替えたのと、多分同じ理由で。


「まあ、今更だよね。ボクたちの付き合いの長さ考えたら」


沈黙を流すために吐いた言葉は、意外とボクの心を抉った。

同じだけの時を、美紗とも一緒に過ごしてきたのに。
……彼女はきっと純平の中で、ちゃんと【女の子】だ。


「……だよな、今さらだよ」