互いの手元にある漫画を武器に、盾にしながら。

狭いベッドの上で取っ組み合って、じゃれ合って、ボクたちは笑い転げた。
その内にベッドカバーはどんどん乱れ、3つのクッションの内2つが下に転がり落ちていった。


そんなことをしている内にあがってしまった息を整えるため、2人並んで再びベッドに寝そべって天井を見上げた。

そのまま純平が、静かに口を開く。


「お前もさー、【一応】女なんだからな」

「一応って」

ははっと笑いながら返したボクに、一瞬だけ真面目な顔をして純平は続けた。


「あんま、無防備になんなよ」


俺だからいいけど、と、純平は目を逸らしながら、小さく付け足した。