「……純平」

「……んあ?」


ボクはこれでも、一生懸命言葉を選んだつもりだ。

正解かどうかなんて、言ってしまうまでは分からない。
だけど今のボクには、これ以上の答えは出せなかった。

今のボクたちにとって、多分これが、最善の答えだ。


「――発情しないでね」

「ッ!! おまっ!」


ほら、正解だ。


間髪入れずに漫画の背表紙でボクの頭を狙う純平に、ボクは安堵とともに吹き出した。


「それ絶対痛いって! よせよ、バカッ」

「うるせぇ、食らえ!!」