一瞬止まりかけたページをめくる手を、誤魔化すように動かす。


『本当に女か』――……そんな事を言われても。


だって、ボクを【女】だと思ってたら、純平はそもそもボクのベッドで寝てないでしょう。
それどころか、勝手に部屋に入ったりもするかな。


子供の頃はよく美紗と3人で、枕を並べて寝てたんだし。
つーかこれはボクのベッドなんだ、当然の権利だ。

隣に寝そべったくらいで今更、何を。


いまさら――……


「女の子だよボクは」


うつ伏せで両肘を立てて漫画のページをめくる、その姿勢を保ったまま、

「だから?」

と視線を送ると、純平はぽかんと口を開けるだけで、無反応だった。