「……純平、ボクの手作りチョコ、食べたい?」


別に他にあげるような相手も思いつかない。
目の前の男友達を見上げてそう聞くと、純平は腕組みをして空を見上げ、ちょっとだけ沈黙した。

いや、そこまで真剣に考えていただく必要はないのだが。
美紗に振られたから聞いてみただけで、そもそもボクにチョコを作ろうなんて意思は全くない。


純平が出した答えは――


「それ、死なない?」

「ぶはっ」

何その返し、ウケる!


「ちょっと、なお」

ボクの吹き出し方が気に食わなかったのか、また美紗が顔をしかめた。