ボクの特等席に図々しく居座るこの闖入者を本来なら蹴り落とすところだけど、今日は貢物持参だから大目に見よう。


「ちょい、詰めてよ」

お腹に乗ったお宝を確保して、そのまま純平をベッドの奥へ押しやろうとわき腹とお尻に向けて両手を伸ばしたら

「ぐぁ、どわっ!!」

……純平は何やら、けったいな悲鳴を上げた。


「おまっ、何しやがる!」

「……何もしてないって……」

というか、珍妙な悲鳴と同時に純平が逃げるように壁際に寄ったので、ボクが押し込む必要はなくなった。


無事に獲得成功したスペースに飛び込んで、さて早速お宝を、と表紙をめくった瞬間、

「……お前、本当に女か」

盛大なため息と共に、純平はこっちを向いたまま、投げ出した右腕を枕にするようにぺしゃりと脱力した。