美紗の家からの帰り道、来るときには空を覆っていた薄雲が晴れ、西日にオレンジに染められた道は少しだけ暖かかった。
持たされた上品な白い紙袋の中には、チョコチップクッキーの残りと美紗特製のレシピが入っている。
自然と軽くなっていた足取りに気付いて意識してスピードを落としたのは、ちょうど、来る途中にやけに気になった、はぐれた葉っぱが引っかかった排水溝のところだった。
「……あ」
そこに、今は2枚の葉っぱが引っかかっていた。
昔からうっすらと感じていた疎外感のようなモノから、今日白星をあげたことで、もしくは美紗との会話を通してなのかは自分でもよく分からないけれど、解放された気分だった。
ひとり取り残されてはぐれた葉っぱにもう1枚が寄り添っているのを見たら、
「……良かったね」
ひとりじゃなくなって。
そんな言葉が、自然と出てきた。
持たされた上品な白い紙袋の中には、チョコチップクッキーの残りと美紗特製のレシピが入っている。
自然と軽くなっていた足取りに気付いて意識してスピードを落としたのは、ちょうど、来る途中にやけに気になった、はぐれた葉っぱが引っかかった排水溝のところだった。
「……あ」
そこに、今は2枚の葉っぱが引っかかっていた。
昔からうっすらと感じていた疎外感のようなモノから、今日白星をあげたことで、もしくは美紗との会話を通してなのかは自分でもよく分からないけれど、解放された気分だった。
ひとり取り残されてはぐれた葉っぱにもう1枚が寄り添っているのを見たら、
「……良かったね」
ひとりじゃなくなって。
そんな言葉が、自然と出てきた。