「だってその方が、14日の楽しみが増えるでしょ?」

可愛く首を傾げながら当然のように美紗は言うけれど、それは、

「まるで死刑宣告だね……」

肩を落としながらそう言うと、美紗のツボにはハマったようだ。


「何それ」

と、冗談だとでも思ったのか、くすくす笑っている。

「死人が出るかもしれないよ」

ボクは結構、本気で言ってるのに。


……あ、違うか。
死刑を宣告されたのはボクだから、死んじゃうのもボクかな。


小さな拳を口元に当てて、可笑しそうに美紗が笑った。

「大丈夫、本当に簡単だから」


疑わしいことこの上ないけど、やってみないことには反論のしようもない。
そうだ、敵前逃亡は極刑だ。

……死刑宣告を食らったばかりのボクが言うのもなんだけど。