不意に、純平が言った『それ、死なない?』という言葉が頭をよぎった。
ボクの手作りチョコを食べたいか、と、何かの折に冗談で聞いた時だ。
これはいよいよ笑えない。
「美紗、やっぱり」
諦めてくれ、ボクには無理だ、と言いたかった。
だけど美紗は、
「大丈夫!明日は溶かさないから」
何か妙案を思いついたのか、そう言って楽しそうに笑った。
美紗が手際良くキッチンを片付けてから淹れてくれたコーヒーには、今日の練習で半端に残ったチョコレートが浮かんでいた。
溶けかけのそれはさっきのドロドロを彷彿とさせて再びげんなりした気持ちに襲われたけど、恐る恐る口にすると、苦みに混じった甘さが少しだけささくれ立った気持ちを癒した。
ボクの手作りチョコを食べたいか、と、何かの折に冗談で聞いた時だ。
これはいよいよ笑えない。
「美紗、やっぱり」
諦めてくれ、ボクには無理だ、と言いたかった。
だけど美紗は、
「大丈夫!明日は溶かさないから」
何か妙案を思いついたのか、そう言って楽しそうに笑った。
美紗が手際良くキッチンを片付けてから淹れてくれたコーヒーには、今日の練習で半端に残ったチョコレートが浮かんでいた。
溶けかけのそれはさっきのドロドロを彷彿とさせて再びげんなりした気持ちに襲われたけど、恐る恐る口にすると、苦みに混じった甘さが少しだけささくれ立った気持ちを癒した。