「ぅわっぷ!何すんだよ」

突然顔に食らった何かに息が止まりかけ、慌ててそれを押しのける。

片手が自由になった美紗が全力でボクの顔面に押し付けてきたのは、ベッドサイドにごろごろ転がっているクッションのひとつだった。


「こっちのセリフ!!何してんのよ!」

起き上がった美紗は本気で怒ってる。
ヤバい、遊び過ぎた!

飛び退いて、ベッドの下に降りて土下座する。

「わりー」


まったく、とブツブツ言いながら乱れたスカートを直して、美紗はクッションを両腕でしっかり抱えたままベッドの上に座りなおした。
モノクロのベッドカバーもクッションも全然可愛げがなくて美紗とは不釣り合いなはずなのに、そんな中にいても彼女がこんなに可愛く見えてしまうのはなんでなんだろう。