「……そーいや最近、3年の姿ほとんど見ねえわ」

「自由登校なんですよね?」

自由登校?

右隣に視線をずらすと、先輩は気まずそうに肩を竦めた。


「そう。だから僕は、大抵ここに籠ってるよ」

え、じゃあ……

「なんで」

来てるの?と、心に浮かんだ疑問をそのまま口にしかけて、思いとどまった。


自惚れるわけじゃないけど、それをボクが聞くのは間違いかも。
もしも、万が一にもだけど……、それがボクに会うためだとしたら、あまりにも居たたまれないじゃないか。


いやいやいや。
そうじゃないだろ、生徒会長だからだろ?
勘違いにもほどがあるぞ、なお!


「――生徒会長って、大変なんすね」

取り繕ってそう言うと、何故か、先輩は困ったような顔をした。