別館へ移動し、急ぎ足で階段を上る。
同じ速度で移動していても、美紗は小走り、純平は大股(階段は1段飛ばし)で、歩き方は三人三様だ。


……そう言えば、先輩の歩幅もボクらの誰とも違った気がする。


2人で廊下を移動した時に聞いた彼の足音を思い出しながらそんなことを考えている内に、生徒会室に到着する。
2回目だからか、昨日ほどの緊張感はなかった。


「失礼しまー……」

あれ?
返事が……気配が、ない。
ってか、電気も……。


ホワイトボードの横から顔を出して中を覗く。
なかなか奥へ進もうとしないボクの後ろから、じれたように純平が声をかけてくる。


「なお、どうした?」

「……先輩、いない」


その部屋はやはり、無人だった。