「もう、出番ないんじゃねえか俺たち」

「……え、どういうこと?」

「今頃親子で話してんだろきっと。あいつまた呼ぶみたいなこと言ってたけど、母親と話して丸く収まったらそれで終わりな気がするよ」


――そうか。だから、面白くないんだ。どん底にいる玲奈を自分が助けたかったのに、自分のいないところで解決してしまいそうだから。

亮はきっと、玲奈の支えになってやりたかった。
頼られたかった。
それが不要になりそうだから、最後の手紙をあの場で開かなかったことを後悔しているのだ。
みのりはそう思った。


では彼女自身はどう感じていたのか。
出しゃばって首を突っ込み過ぎたと思っていた。
玲奈は母ともきちんと話をするべきだと思った。
それで解決するのなら、それが一番良いと思った。


2人の感性は通じるどころかかけ離れている。
そして亮にとっての玲奈はやはり、ただの友達以上の特別な存在だったのだ。
そう、痛感せざるを得なかった。