「あー、何かすっきりしねえな。やっぱり読んでくりゃ良かったなあの手紙!」

「それは……気になるけど。玲奈の気持ちもあるしね」

「まあ、それはそうなんだけどな」

不貞腐れたようにぐいっと水を飲む亮の表情を、みのりはじっと見つめた。


面白くなさそうなのは、彼の中にも自分と同じように、玲奈のことを心配しているだけではなく隠された真実に対する純粋な興味が湧いているからだろうか。
それが玲奈との友情に対するひどい裏切り行為のようにも感じていたみのりは、そうであって欲しいと願った。

亮も、自分と同じ感性でいてほしい。
そう思うのは、自分だけが汚いもののように感じなくて済むから――というだけではないことは、勿論分かっている。

まだ彼と通じ合える部分があると思いたいのだ。
そして、彼の興味を引くものが玲奈であって欲しくないとも。