行き付けのbarに着いたら、マスターが一言。

『お、今日は早いね?てか、え?あ、いらっしゃいませ!』

アタシに連れがいるのに焦ってた。

そんなに焦ることないよね…。


まぁ、連れなんて初めてだし、マスターはいろいろ知ってるからなぁ…。


キラは笑顔で頭を少し下げた。


「卓さんのお店は美味しいから、来ただけだよ」


『はいはい、ありがとね。で、何飲む?』


マスターこと、卓さんはキラに向かって聞いた。


何故なら、アタシはいつもカシスオレンジしか飲まないから…
オコチャマとでも言いやがれぇ。


だって卓さんのカシオレはめちゃくちゃ美味しいんだから!!
『あ、じゃぁ、ジントニックお願いします。』

『はいはい、ジントニックねぇ~』

卓さんは早速、カウンターの奥に立ち居ちを決める。


アタシたちは、店の奥のボックス席に座った。