カラオケに着くと、キラは飲み物飲んでから歌うから、とアタシに先陣をきれと言ったw

アタシはとりあえず、その時の流行りの歌を選ぶ。

アタシが歌ったのは…もう戻れない恋人たちを綴った冬の歌。

キラは黙って聴いてて、間奏中も何も言わない。

え?アタシ、下手になったのかな…。


それにお世辞くらいホストなんだから言ってよ…。




曲を歌い終わると…

キラが呟いた。


『上手すぎる…。』



ヤッター!!!誉められた!

毎日のようにそんなこと言われ慣れてるのに、メチャメチャ嬉しかった。

いつもは、ありがとう。

と言いながら、上手いのは当然!!
どれだけ歌ってると思ってるんだ!?

とばかり思うお世辞も、キラに言われたら微塵もそうは思わなかった。


『あ~ぁ、俺、先に歌っとけば良かったかも』


歌い辛いわぁ、なんて呟きながらマイクを持った。



あ、この曲、アタシがメチャメチャ好きなバンド。



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