はぁ…。

溜め息を一つ溢し、取り敢えずアタシは思ったことを言ってみた。

「閉店したら、ミーティングあるでしょ?出なくていいの?」


『あ、忘れてた!!……ま、いいや。』


はぁ、とアタシが2回目のため息を漏らす。



『だって、なんか遠くまで送りたい気分だったし。もう少し一緒に居たかったし。まぁ、明日があるから、送るのはここまでで、俺店に帰るね!』


「走って帰んなよ……」


『だね(笑)』

そう言ってキラは少し走って、また歩き出したので、ダッシュ!!と叫んでやると、また走っていった。

アタシが結局見送ってんじゃん……。


少し酔ったのか、ダッシュ!!なんて街中で叫んじゃってるし…まだまだ人の多い時間だから、アタシの行動を好奇の目で見る人もしばしばいるし。

恥ずかしい…。

こんなこと、今までしたことないわ、アタシ。


全く…キラは本当に何考えてるんだ?


これも計算?


だとしたら素晴らしい。



でもアタシにそんな価値はないよ?



ホストになんて


絶対にハマらないから。





こうしてアタシとキラは出逢ったんだ…。