「ハーフサイズの鏡月、入れてくれる?」


『うん、わかった。ありがとね』


結局、アタシは今、この店で5000円くらい払うことになってる。


ホストにはハマらない。

騙されるだけ。

今日は特別…。


そうに違いない。


厄日だしね!!

パァーッと飲みたいから、ね…。




あ、そうか!

キラの性格が嫌なやつだったらいいんだ。


延長分はキラの粗を探すことにした。


『あ、あのね。今ハーフ(鏡月)取りに行った時に上に聞いてきたんだけどね。』

キラはハーフサイズの鏡月をあけて、アタシの分とキラの分のお酒を作りながら、言ったんだ。

『ラストまで料金変わらず飲んでていいって。』


え?


そんな話、アタシしてなかったけど…

アタシが延長終わる頃にはラストまで残り30分だから、客いますよー的な雰囲気を出させたいとか?

いや、残り30分ならそんな必要性がある?

一体、何考えてる?


『あ、嫌だった?時間に余裕ない?』


キラはまたもや無言で考え込んでいたアタシに聞いた。


「いや、時間は平気。ただ……」


『ただ…?』


「なんかキラにメリットあるの?」