蓮のことをあきらめきれないまま、中学生になった。

 「10周目」
 「はい!」
 「56秒!
  もう少しあげろ!」

 中学校では、陸上部の長距離に入った。
 
 練習はきついけど、走ってる最中は、蓮のことをわすれることができた。
 ただ、同じ学年の女子がいなかった。
 
 「美咲ちゃんって、彼氏いないの?」
 「え、、、い、ない、です。」
 「じゃあ、好きな人は?」
 「い、ないです。」

 入部当初はいつもこうだった。
 別に恋愛話が嫌いなんじゃない。
 ただ、私が人見知りで、先輩と話そうと思うと、声がうわずってはなせなかった。
 
 
 
 「なんか、美咲ちゃんって、愛想わるいよねー。」
 「ねー。しかも、足遅いし。」
 
 今日もか、、、
 入部して5ヶ月で、私は悪口をいわれるようになった。
 早く部活終わらないかな。