それからの時間は

あっという間やった。



先生は淡々と

彼の紹介をし、

彼も自己紹介をした。



アズマ カイト
『東 海斗』




それが、彼の名前やった。

見かけによらず、

普通やな、なんて

阿呆なこと考えてた。






あんときのあたしは、

これからの日常が、


アンタで満たされていく

なんて、

ちっとも考えてなかったよ。



でもさ、

アンタは知ってたんやろ?


アンタはさ、

全部お見通し

みたいな目して、

あたしをいつも見てたね。



懐かしいな。

あの頃に戻りたいね。






…なあ、

アンタもそう思ってるやろ?