放課後。


一人で隣町まで来て、

彼の誕生日に、

何をあげたらいいのか

ブラブラしながら

悩んでいた。




ふと、あるお店の

ショーウインドーに

並べられた

ハンカチの中に、

星空柄の綺麗なものが

あった。



それは、

まっすぐ、綺麗な

瞳であたしの事を

見つめる、

彼の雰囲気に似ていて、

あたしは興味を惹かれた。



こんなもの、

彼はいらないかも

しれない。



それでも、

あたしは、

ショーウインドーに

飾られたハンカチに

魅せられるまま、

買ってしまった。




丁寧に、

茶色い紙袋に包まれた

ハンカチは、

あたしの心臓を跳び上がらせ、

鏡を見なくとも

頬が赤く染まるのがわかる。




彼の顔が、

頭に浮かんだ。



きっと、

どんなにいらない物

だったとしても、

あの、包ま込むような

笑顔で、

受け取ってくれるんやろうと

考えると、



やっぱり

あたしのカラダに

熱が伝わっていく。




どうやって渡そうか。

どのタイミングで渡そうか。

なんて言って渡そうか。


あたしの心の中は、

不安と緊張と期待で、

なんとも言えない

気持ちだった。