教室を出て、廊下を走る。


途中で何度か先生に声をかけられたが、用事があるからと言ってとりあえず受け流した。


……どうせこんな早くに家に帰るなら、思い切りのんびりとしたい。


新しい服も欲しいから、ネットでもしようか。

































校門を出て右へ進む。


幸い通行人は少なかったため、怪しい目で見られることはなかった。

……まぁ、まだ9時だしな…………



朝なので、体が冷える。

こんなときに手袋やマフラーがあったならな。


またネットで調べよう。



「………よし、ココアでも買うか………」


自宅近くの公園が見えてきた。

確か、自動販売機があったはず。


俺はそこでココアを買おうと、駆け足で公園に入った。






ピッ


ガコンッ



「っあ~うまい!やっぱり学校帰りにはココアだな……」


風呂上がりにはビールだな!と言う全国のおじさん達と並ぶように言ってみた。


今ならあの気持ちがわかる気がする。



まぁ、ビールに比べたらココアなんて随分可愛いものだが。




「……さて、帰るか」


飲み終えた缶をゴミ箱に入れ、お釣を財布に入れた。


せっかく暖まった身体も、この寒さではすぐに冷えきってしまうだろう。



そう思い、公園を出ようとした時だった。









「……だ………れ……か…………………」















後ろから、声が聞こえた。