……で、一時限後。




「ずりーよっ夏!」


「なんで如月の隣なんだよ!!」


「なっちゃん……マジ変わって。切実に」


「いくらなっちゃんでも許さねーっ!!」



予想通り、八つ当たりの嵐だ。


…………ったく、俺は悪くないっつーの!



「いや……俺知らねーし?変わりたいなら変わってやるけど………」


「「それが出来るならもうやってるわ!!」」



なんでこんなとこで皆一致団結するんだよ。

他に活かせって。



………でも、こんなに皆が必死になるぐらい、西城は可愛いんだろう。


まあ分からなくもないけどな。



「あーーもううるせーっ!!俺は何もしてないっつーの!文句あるなら先生に言えって!」



俺が急に叫んだからか、教室がシーンとなった。


一瞬の静寂。





「………………如月くん?どうしたの急に……」


隣から遠慮しがちな小さい声が聞こえた。

…………お前のせいなんだけど。




「もういい……俺早退するから、この席座りたいやつは勝手に座っとけ」


そう言って鞄をロッカーから出し、教室から出た。










……だから嫌いなんだよな、恋愛って。