皆藤が「お前やっぱり変だ」も感想をもらした。さっきの怒っているようなそれは、もうない。

 変、といわれることにたいして、私は別に、と思う。

 普通と、変。

 何が普通なんだろうかと考えてしまう。いつも恋をしておしゃれを追いかけるの普通なら、やはりそれらをたいして重要視しない私は、変、ということになるのだろう。


「それに私、坂本のことむしろ嫌いだし」
「何で」
「裏で女の子の悪口ばっかだから。私なんてブサイク組に分類されてたし」
「なんだよそれ」
「よくある順位付けでしょ。誰が可愛くてイケメンで、誰がブサイクでキモいか」
「ひでぇな」
「ひどいよ」


 可愛いといわれたひとが、人類みな可愛いと思うだなんてありえない。なのに、そんな雰囲気ってある。みんながいうから、って。
 馬鹿みたい。
 その人が、その人のことを可愛いって思うなら、やはりその人にとって可愛いのだ。


「悔しいけど、坂本がいってることはあってるけどね」


 結菜は可愛い。あれは多少なりとも自分で自分を可愛いって理解して、それから回りから言われることによる自信がある。けど、私は別に。変人だし…変人だし。うわ、二回思ったけどそれがやっぱり一番しっくりくる。