「驚く」
「いや、そりゃそうだろうけど」
「名前を聞く……?」
「いやだから、あーもー。付き合わないのっていうことよ」
「でもさ、知らない人なんでしょ。同級生とかじゃなく」
結菜はほおづえをやめてもえ袖から指先を出す。
「私なら付き合ってみるけど」
まじですか。
知らない人なのに?
そういう私に「誰もが初めは知らない人でしょー」と結菜が笑う。確かにそうだけど…なんだろ。
「付き合ってみて、駄目だなって思ったらさよならすればいいもん。付き合わなくても、連絡先くらい交換してメールとかしてみるのもいいかも」
「まあ…それは結菜だから出来るんだよー。私なら無理無理」
「理恵はオクテだもんねー」
「オクテいうな」