☆★怜様★☆


俺は商店街に出掛けようと家をでた。


「じゃあ、行ってくる。」


「怜様、このところ良からぬ雰囲気を感じます、どうかお気をつけて。」



「わかってる。」




家を出て、10分ぐらいで着く商店街へ向かった。




ようやく険しい山道を下りて、一休みをしようと思った瞬間、町の方から誰かが歩いてくる。




人間だ!




俺は木の上に登り身を隠した。



俺の気配が分からないまま通り過ぎる女がいきなり走り出した。



と思ったら、根っこにつまずいて転けた。




「いったぁー。」



ふっ、馬鹿な女。



突然、生暖かい風が吹き、女の被っていた帽子が飛んで、木にひっかかってしまった。


女は立ち上がり、帽子に手を伸ばそうとしているが、全然届いていない。





はぁ~、取ってやるか。




木にひっかかった女の帽子を取ろうと思って木から降りた瞬間、また風邪が吹いて帽子が飛んで地面に落ちた。