飛ばされた帽子は、木にひっかかっていて取れなくなってしまっている。



「どうしよう大切な帽子なのに。」



立ち上がって手を伸ばしてみるが、あともう少しのところで手が届かない。


ジャンプして取ろうとしたけど、足に激痛がはしってうまく取れなかった。



何度も手を伸ばしても取れなくて諦めかけていたときに、生暖かい風が吹き、帽子が地面に落ちた。




あっ、よかったぁー。



落ちたところに行き、帽子に手を伸ばしたとき、白くてすごく冷たい誰かの手が触れた。




えっ…。





そっと身体をおこして顔を覗いてみると、鼻が高くて外国人のような金髪で、白い着物を着ている美少年が立っていた。




「…………。」




「あの、帽子落としましたよ。」





やっ、やばい!


身長のスラッとした高さに見とれてしまった。




「あっ、ありがとうございます。」



 
「いいえ、君は見かけない顔だけどここら変に住んでるの?」




「えっ、あ…はい。」




「商店街で買い物でしょ、送ろうか?」



「あっ、いいえ すぐそこなのでいいです。」



「そっかぁ、気をつけてね。」



帽子を受け取って、商店街に向かおうとしたときに彼は不思議な人だと感じた。