「昨日、理子と久美子と小百合に私達のことを話したの……」


驚くと思っていた志則の表情は変わらず、真っ直ぐ私を見ていた。



「やっぱり、私達の関係っておかしいよね?
こんな関係……みんなが怒るの無理ない」



俯いた私に、志則が少しの間の後に言った。



「愛実はどうしたいの?」




理子にも言われた言葉だった。


答えが見つからないままの言葉。



私は志則の答えを聞きたくて、同じ質問をした。



「志則はどうしたい?」



志則は私の目を見ながら考えていた。


長い沈黙の後、志則が言った。



「わからない」




私と同じ答えだった。



「私も、わからないよ……」




しばらくの間、二人で肩を並べ黙って座っていた。


心の中ではお互いいろんなことを考えてる。

だけど、それを口にはしなかった。


きっと言葉にしなくてもわかることだから。



お互い同じ思いでいたから。


今も、同じ思いで隣にいるから……。