教室でお弁当を食べ始めて、クラスメイトが私達の変化に気づいた。
いつも4人でお弁当を食べてる私達が、二つに分かれてお弁当を食べてる。
不思議そうに私達を見るクラスメイトの視線に、ちょっと胸が痛くなった。
「さっき久美子達に愛実の気持ちを話しに行ったんだ。
小百合は愛実と吉田君の関係は理解できないけど
愛実の気持ちはちょっとわかる気がするって言ってた。
久美子は……久美子には聞いてもらえなかった。ごめんね」
「ううん、ありがとう。
私、理子に迷惑かけてばっかりだね。
理子と久美子の仲までギクシャクさせちゃって、ごめんね」
「何言ってるのよ!
友達のために何かやりたいって思うのは当然でしょ!」
理子の優しさで胸がいっぱいになった。
お弁当を半分残して、私は屋上へ向かった。
重い足取りで歩いていくと、志則が屋上のドアに繋がる階段の一番上に座って私を待っていた。
「おせーよ」
「ごめん」
立ち上がった志典が、階段をジャンプして下に降りた。
私の目の前に立った志則が頬笑んでみせる。
私はその微笑みに目を向けた。
「……で、何? なんか話があるんだろ?」
階段に腰をかけた志則の口調は、いつもと違って少し硬かった。
私は志則の隣に座り、深く息を吸ってから話し始めた。