セリアさんと少しだけ昔話をし、本題に入る。
「昔、クラウスがあの話をしたせいで、娘は血がダメになったのよ」
「……は?」
血がダメになった?
あの話をしたせいで?
……なんて、純粋なヴァンパイアなんだろうか。
どれだけ大事に育てられてんの?
普通…純血なヴァンパイアならば、あの話をしたって、そこまでならないはず…
そもそも初めて会った男の話をそんな簡単に信じるか?
「だから、クラウス個人に依頼するわ。娘の血の克服。貴方に拒否権はないわよ。ちゃんと責任はとってもらうから」
「…別にいいですよ。俺のせいみたいだし。でもそれ、すごく今更ですね。あれから何十年経ったと思うんですか?」
血の克服なんて…この数十年の間にすればよかったのに、なんで今なのか。
「私は夫の仕事先について行っているから、あまり屋敷にいないし、別に問題ないかなって思っていたのよ。でも発作を起こしてしまってもいけないから、食事に血を混ぜていたし」
食事に血って…
想像しただけでも嫌な気分になる。
それに…あまり屋敷にいないって…アメリアは一人であの広い部屋にいるの?
……ああ、でも使用人が何人かいたね。
「でもアメリアもそろそろ年頃だし、お嫁に行くなら血を克服しないとダメでしょ」
「…なるほどね」
確かに結婚のことを考えると、血がダメって…それはヤバイね。