なんで、そこまで俺のことを?



俺はそこまでできた奴じゃない。



自分の都合が悪くなったら、すぐにセーファスに頼って…記憶を操作してもらって…



結局、自分では何もできないダメなヴァンパイアなんだから。




「それに…私はクラウスのことを…!」




俺はコーネリアの言葉を遮るように、彼女の唇に人差し指を当てる。



「ごめん…もう黙って。コーネリアの気持ちは、わかったから…」



この先の言葉は聞きたくなかった。


なんとなく、知っていたんだ。
コーネリアの気持ちは。



他の女同様、冷たい態度をとっていたのに、それでもコーネリアは俺に近づいてきた。



こんな俺の…どこを好きになるのかわからない。