ノーマンと一緒に仕事し始めて数年後。



仕事が終わり、家に帰ろうとすると、ノーマンに呼び止められた。



「あ、クラウス…ちょっといい?」



「なに?」



「…ずっと、気になっていたんだけどさ…クラウスっていくつなの?」



なに、その質問。
わざわざ呼び止めること?



……なんて、それは人間が思うこと。



ノーマンに年齢を聞かれた時、自分の心臓がどくんと鳴った。




「…なんで、俺の年齢がそんなに気になるわけ?」



「いや…だってさ…数年前からあまり見た目が変わってないような気がして…それに、クラウスって俺よりも早くここにいんじゃん?だから、気になってさ…」




いつか聞いてくると思った。



実際、俺の正体を知っているのは、幹部だけ。


それに、俺自身も人間として過ごしているつもりだから、バラすつもりはない。



もし、ノーマンのように俺に疑問を抱いた奴らは、セーファスに頼んで記憶操作をしてもらっている。




ヴァンパイアとか…名乗りたくないし。
あの父親の血が流れていると思うだけで、すごく嫌。