「篠崎君」
「…」
「篠崎くーん」
「……」
「…凌ちゃん?」
「っ!?」
ガタンっ!!
あ、やっちまった
椅子を倒して勢い良く立ち上がった俺は、瞬時にそう悟った。
「あははっ」
隣の席には例の女、源本。
そして視線が俺に集まるこの教室では数学の授業が行われていた。
当然唖然とするクラスの奴らに先生。
「し、篠崎君、大丈夫ですか?」
若い女の教師に尋ねられ、なんともないっすと答え着席。
「ふふふ」
まだ隣から聞こえる笑い声の主を睨みつけると、
「やっとこっち見てくれた〜!!」
と嬉しそうに笑う。