「ど、どうした…?」







「え、いやだって…そんなはずは」









何やらブツブツと呟き始めた目の前の男。








眉を寄せて悩みまくってるその姿に居ても経ってもいられず口を出す。







「いや、まじでどうした?!怖いんですけど、俺!」








俺がそう叫ぶと、はっと我に返ったように俺を見つめてくる。








「篠崎君て…彼女…いなかったの??」








「は?いや、さっき言っただろ?いたことないって」








まさかそんなことで?







「うわぁぁぁあ!俺はなんてことを!ごめんなさい!」








そう言うなり一目散に屋上から飛び出していく亜麗。








1人取り残された俺。









「まじであいつなんだったんだよ…」







そんな俺の呟きも、屋上に吹く冷たい風邪にかき消された。