「まぁ、俺にしてやれることはほんと何もないと思うぞ」






実際そうだ。






別に中のいい友達がいるわけでもないし、紹介できる女がいるわけでもない。







それに亜麗なら、本当に今日中にでも出来る。








まぁ、見た限りのコイツの性格からしたら、本当に好きになった奴としか付き合わなさそうだけど。








「そんなぁ…」








俺に断られて、明らかに肩を落とす亜麗。











そんなに凹まれてもなぁ…







「いやだってな?俺だって彼女いたことないのにどうやってアドバイスしたらいいんだよ?」








俺の人生観を語ったところで意味がない。








「だからな、亜麗…」









諦めてくれと言おうと思って見た亜麗の顔は、驚きというかなんというか、口を半開きにした何とも間抜けな表情だった。