亜麗の話を聞くと、中学時代こいつはメガネに長い前髪で顔を隠していて、休み時間も読書をしているといういかにもな地味男子。
そんな彼の目に止まったのが、俺ということらしい。
別に、中学とかなんとなく過ごしてただけなんだけどな…
まぁ、憧れなんて言われたら、素直に嬉しいのが人間の性で。
「で、彼女欲しいの?おまえ」
「そうなんだよ…」
いや、できるだろ。
俺がいなくても。
「おまえ、多分今日中にでも出来るぞ」
「えぇっ!?」
いや、俺を含め誰もがそう言うと思う。
「告白とかしたことあんの?」
「な、ないよぉ!そんなこと出来たら篠崎君に頼まないよ!」
だよなぁ…
てか、こいつのヘタレっぷりには正直びっくりしている。
もっと自信家で、ナルシストで、来る者拒まず去る者追わずって感じだと思っていた。
彼女いない時点で驚きだからな。