理科準備室で昼休みを乗り切り教室に戻ると、何やら人だかり。
中心にいたのは
「弥咲君〜、番号教えて〜!」
このクラスの亜麗 弥咲(あれい みさき)だった。
「あ~、今なつみちゃんに教えたから、みんなで回しといていいよ〜!」
女子受けの良さそうなルックスに甘い声。
俺が言うのも何だけど、あいつはかっこいい。
1年の時は違うクラスだったにも関わらず、あいつの噂は普通に耳にしていた。
なんなら、この学校のトップ2は、あいつと俺ってことも知っている。
トップ2ってなんだよってツッコミたくもなるが、ツッコむ相手もいない俺は、ただただその噂を受け流すしかなかった。
「あ~、このクラス超ラッキーだよ!弥咲君に篠崎君…トップ2が揃ってるなんて!!」
「私、運使い果たしちゃったかも!」
周りからは、そんな声と共にうっとりとした視線を感じる。
はぁ…結局静かな学校生活は送れないってことか。