次の日の放課後になり練習が始まった。

「じゃあ、練習1日目ですのでパート分けをします。まずは去年のパートごとに分かれてください」
今日も西野が一人で頑張っている。
クラスのみんなはダラダラと自分のパートの位置に向かう。
私は去年アルトパートだった。
あまり目立たないパートだ。

「ソプラノが少ないな」
西野がボソッとつぶやいた。
ソプラノパートの集まりを見てみると8人しかいなかった。
このクラスは女子が全員で19人だ。
西野はピアノを担当するので抜かすとして18人になる。
均等に分けるにはアルト、ソプラノどちらも9人にならないといけない。
つまり、ソプラノに一人少ない。
そして、アルトに一人多いことになる。

「アルトの子でソプラノに移動できる子いないかな?」
西野がアルトパートに駆け寄る。