「……着物は動きにくいから嫌いなんです。着物か袴かって言われたら袴のが動きやすいからそっちがいいんですー!」

べーっ、と舌をだしてぷいっ、と顔を背ける。




「じゃあ…平助、もう着ない袴があれば何着かつばさ君にあげてくれるかな?」

「おぅ!つばさ、部屋についてこい!」




幹部の中で背が低い藤堂さんに近藤さんは声をかけ、藤堂さんは笑顔で答えて声をかけてきた。



わたしは頷いて、藤堂さんと一緒に部屋を出ようと立ち上がった。




「あっ、つばさ君!
キミのことはここにいる幹部の人たちだけの秘密にしておく。キミはトシの遠い親戚で預かることになったということにしておくからね!」





「土方さんの…ですか……。

近藤さんがいうなら仕方ありませんね…我慢してあげますよ、感謝してくださいね土方さん!


それじゃ、着替えてきまーす」





早口に告げ、藤堂さんと部屋を出て数秒後、
「ふざけんなぁぁあ!」という土方さんの声が屯所に響き渡った