目を覚ますと河川敷に俺は横たわっていた

体が重い…痛い…そう思いながら体を起こそうとする

_が


うまく体を起こせない。自分の体を見てると左腕がなかった

その光景を見てショックとかよりも

『実際にあの場所に行ったんだ』

とても嬉しかった。

すると遠くから俺を呼ぶ声がする

「おーい!幸輝!」
「幸輝!大丈夫ー?」

俺は右手を器用に使い立ち上がり歩き出す

皆は一瞬俺の姿を見て硬直したがすぐ笑顔になった

「幸輝…お前行ったんだな…会ってきたんだな!」

優輝の精一杯の声…

「うん…行ってきた。ちゃんと言えたよ」

そんなことを話しながら俺達はまた歩き出す…


「嘘でしょ…ほんとに乗れるなんて…」

「どうゆうこと?」

「あの電車は、その人への強い思い、会えるなら死んでもいいって思ってるぐらいじゃないと会えないんだよ…」

私達は優輝と幸輝の背中を静かに見守る事しか出来なかった