2時より、早く来てしまった。

「えへへ…」

楽しみで頬を緩ますと後ろからカメラのシャッター音と、声が掛かる。

「何変な笑い浮かべてんの?」

「ゆ、結岐くん!?あれ、柚季は?涼太くんは?」

「柚季が靴決まらなくて、涼太が付き添い」

「あは、柚季らしいね。…って、それより写真!」

結岐くんの、携帯を取ろうとして手を伸ばす。

…届かない。

「意外と鈴音って身長低いよね」

「結岐くんが!高いんじゃないんですかねぇ…」

笑いながら携帯の取り合いを、続ける。

ふと、段差につまずく。
(…あ、これやばい!こける!)

次にくる衝撃と痛みに、目をつむる。

けどその衝撃も、痛みもやってこない。

「鈴音…、平気?」

はっと、上を向くと庇って下敷きになり私を抱きとめている結岐くんと目が合う

(庇ってくれたんだ…)

「ご、ごめん痛かったよね?」

じわじわと涙目になっていく私を見て結岐くんは、ぽんぽんと私の頭を撫でてくれる。