小学校低学年の頃だった。
海の近くで、風の心地よいこの町に来たのは


入学式は、どうにも苦手だった。
人混みは苦手だし、長い校長の話なんて
もっと苦手だ。


小林鈴音、1年4組15番。
新しい中学校生活に不安なんて感じなかったし、特にわくわくした気持ちもなくて正直冷めてた。

入学式が終わって各クラスの教室に入り、皆が必死に自己紹介をしている時。

私は特に何も考えず、窓から校庭を眺めていた。