「成仏するからだよ。死んだ人間は魂が抜けた……着ぐるみなんだ。最後に抱いていた感情はすぐに消える。まあ、この世に異常な執着心をもっていたら話は別だが」
叶亜の言う事が難しくて、詩音の頭の中にはいまいち入ってこない。
「大司さんの感情は消えるのがすごく早かったよ。生きることを諦めていたように。」
「……お父さんは生きることを諦めてたんですか?」
「僕が大司さんから感じることができた感情は、諦め、悲しみ、憎しみ……。そして感情に混じって言葉が聞こえた」
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