「……死んだ人間の最後の感情がこの世に留まってるのは、ほんの数分なんだ」

叶亜が急に話始めた。

詩音が顔を上げると、叶亜が月を見つめていた。

「なぜだか分かるか?」

「……いえ」

詩音は涙を拭い、首を横に振った。